名もなき日常

何気ない毎日が大きな物語を作っている

カルテットの美しさとは

今クールのドラマの中で、自身が最も楽しみにしているドラマが

「カルテット」である。

音楽に関連するドラマだから面白そうだという理由で見始めたが、

回を追うごとの予想外の展開に、毎週火曜日が楽しみになってきている。

ネット上でも盛り上がりや見解を見ていると、

自身はそこまで深い見方ができていないと感じるところだが、

何が魅力になのかと言われると、4人の作り出す世界観の

「妙」みたいなところなのではないかと思う。

 

「カルテット」とは、4人組や四重奏、四重唱を指す言葉であるが、

4人が創り上げる世界観を指す言葉として理解して問題ないだろう。

 

4人という数字は、実に不思議な数字だと思う。

今回のドラマも、トリオでも、クインテットでもなく、

カルテットであることが、

より登場人物全員の見せ場を絶妙に描いているのではないかと感じる。

 

4人それぞれに個性や華がないと、全体としての魅力に欠けるし、

だからと言って、個性が主張しすぎるとバランスが悪くなってしまう。

全員が正しく整列してしまうと、埋没してしまう危うさがあり、

でも、同じ志でなければ、たちまち不協和音と化してしまう。

 

横一列に並んだ時の圧迫感や不足感がなく、

向かい合った時のおさまりの良さは、「4人」が持つ絶対的な強みだろう。

ただ、そのおさまりの良さは、数字上だけのものに過ぎず、

何か小さな要因ひとつで、たちまちバランスが乱れてしまうが、

「4人」の脆さでもあると思う。

 

また、4という数字は偶数であるために、

場合によっては、2対2の構図が生まれ、完全に決裂してしまう恐れもある。

奇数の場合には、意見が分かれた場合には、誰かが1人になってしまい、

それも解決の糸口を見つけることは難しいと思うが、

2対2で完全に意見がぶつかった場合も、これまた厄介な事態と言わざるを

得ないだろう。

 

4人が生み出す世界には、絶妙なバランスが求められると思う。

それ故、4人という構造のなかには、カリスマ的存在は、

あまり必要がないように感じられる。

その分、各個人が背負った役割を最低限の狂いだけで、

全うしなければならない。

 

そのために、生み出す世界観に、より個性が現れるのが、

カルテットの特徴であると思う。

 

4という数字が持ち、創り上げる世界観は、

そういう意味では実に不思議で魅力的なものだ。

 

ドラマ「カルテット」は、現時点で最終回を残すのみ。

4人が創り出す世界観には、どのような結末が待っているのだろうか。

それぞれの個性がどのような光を放つのだろうか。

終わりが寂しいけれど、早く続きが見てみたいという衝動も押さえきれない。

 

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